メンターインタビュー:ももせさん

悩みごとやモヤモヤすること、不安に思うことをインターネットで気軽に相談ができる「TOKYOメンターカフェ」。仕事や子育てなどを経験してきた方が、都民メンター(助言者)となって多様な悩みに寄り添い、悩みを抱えて次の一歩を踏み出せずにいる女性を支援します。

今回は、都民メンターの1人である、ももせさん(30代)に、ご自身が経験してきた悩みやメンターとしての活動を振り返っていただきました。

自分も似たような状況で、回答がスラスラ出てきた

なぜメンターになられたのでしょうか?

実は、私は何か強い志があってメンターになったわけではありません。自分が住む市区町村のホームページで調べものをしていた際に、たまたまTOKYOメンターカフェのバナーを見かけて、クリックしてみたんですね。「こんなサイトがあるんだ」と、そのときに初めて存在を知りました。

誰でもいきなりメンターになれるわけではなくて、お題に対しての回答例を作成する必要があります。そのときのお題が「4人の友達のグループラインがあり、その中で1人の友達が自慢話をいっぱいしてきます。グループラインは大事にしたいけれど、その1人の友達の存在が負担になっています」というような相談だったんですね。ちょうど私も似たような状況だったので、アドバイスがすらすら出てきたんです。

それまで人の相談に乗るのは責任が重いし、大変なことだと思っていたんですが、もしかしたら私にもできることがあるのかもしれないし、人の役に立てるならやってみたいなと思って、メンターに応募しました。

30歳、恋愛も仕事もすべてがうまくいかなくなった

ももせさんがこれまで悩んでこられたことを教えてください。

ちょうど30歳になる頃、恋愛も仕事も友人関係もすべてがうまくいかなくなる時期がありました。

私は事務の仕事をしているのですが、派閥争いのようなことが起きてしまい、人間関係に辟易していたんですね。それで、当時2年ほど付き合っていた彼氏に、職場のストレスを八つ当たり。加えて、30歳という年齢や周りのライフステージが変わる様子から、彼に「結婚」というプレッシャーをも与えてしまいました。結局、その彼とはお別れすることになり、更にその愚痴を言った親友とも疎遠になってしまって……。

すべてが悪循環でした。当時の私は自分自身を見つめることなく、「上司が悪い」「彼氏が悪い」「友達が悪い」と、すべてを人のせいにすることで、自分を保とうとしていました。寝られない、ご飯も食べられない、お風呂にも入れない状態が続き、限界を迎えたのでしょうね。あるとき駅で倒れて、そのまま病院に搬送されました。

目が覚めると、心配そうな顔をした父と母が病室にいました。家から病院までは結構距離があるのに、心配して駆けつけてくれたんです。そのときに私を支えてくれる家族がいることに改めて感謝しましたし、同時に「あらゆる問題から逃げるのはもう止めよう」「自分と向き合おう」と思いました。

自分は何に悩んでいるのか。その悩みに対してどう対処したらいいのか。その“答え”が知りたくて、スマホで検索をしてネットの記事を読み漁りました。ただ、それでは限界を感じて、本をたくさん読むことに。恋愛の指南書から、自己啓発、心理学や哲学、社会学の本などの本を読み、いろいろな人の意見や知見をちょっとずつ自分の中に吸収していきました。自分と向き合い、悩みと向き合ううちに、自分なりの“答え”が見えて、ようやく悪循環から抜け出せたように思います。

「自分の思いがしっかりと届いている」という実感

これからメンターとしてどのように活動していきたいですか?

私は相談者さんの相談を一度紙に書くようにしています。そうすると、画面で見ているだけでは分からなかったことが見えてくる気がするし、自分のバイアスや思い込みなく相談に向き合えると思っています。いろいろな相談を見ていると、自分のモノの見方が狭いなと気づかされることもありますし、逆に「こんな考え方もあるんだ」と相談者さんから教えられることもあるんです。

自分がした回答に対して、相談者さんから反応があるとモチベーションが上がります。TOKYOメンターカフェには「ベストアンサー」という制度があり、過去に一度もらったことがあるのですが、自分の思いがしっかり届いているという実感が得られて、メンターとしての活動の支えになっています。